地域活性化に向けた取り組み事例などを紹介する文献や記事に目を通していると“コミュニティ”という言葉を目にすることが多いことに気づきます。
確かに、地域には自治会や消防団等、秩序や安全、財産を守るためのさまざまなつながりがあることに気づきます。地域を存続、発展させていくためにはさまざまなコミュニティがそれぞれの役割を担い、機能していくことが必要なのです。
では、私たちNPO法人kichiは今後、地域においてどのような役割を担うべきなのでしょうか?
今、地域に必要とされていることは、人が成長する機会、新しいアイデアが創出される機会、そして、人々がつながる機会。つまり、未来の知的資本が集まる機会を作ることが必要だといわれています。
未来の知的資本が集まる場所になる。つまり、人が集まり、言葉を交わし、ともに成長する場所を日常的に設けていくことで、今後地域に起こるであろうさまざまな問題や課題に対して、柔軟に発想し、連携し、乗り越えていく力を蓄えていく場所になるのです。その根底にあるのは紛れも無くコミュニケーション。そこで、コミュニケーションについてもう一度じっくり考えてみたい、ということで今回のてんつなぎのテーマは“コミュニケーション”としました。
今回お招きするゲストは社会学者の加藤文俊先生。
加藤先生は東京アートポイント計画の一環として三宅島大学というアートプロジェクトを手がけられております。また、訪れた地域の食材を使って、その場に居合わせた人たちと一緒にカレーをつくることで新たなコミュニケーションの可能性を探るカレーキャラバン等、コミュニケーションをテーマにしたさまざまな活動をされています。
三宅島大学では、三宅島全体を大学に見立てて、そこでさまざまな「学び」の場を提供することで、人々が出会い、のびのびと学ぶ機会を設けることで、コミュニケーションの誘発を促し、未来に向けての語り合いの場としてコミュニティの創出を図ってきました。そんな三宅島大学において副学長を務められた加藤先生より当プロジェクトについてのお話を伺います。
カレーキャラバンとは、墨東大学の講義「墨大カレー考」から生まれたプロジェクト。
日本の国民食でもあり、世界中で食べられているカレー。インドで生まれたカレーは、世界中へ広がり、それぞれの地域にあわせて柔軟に、多様に変化していきました。その多様さは、カレーとはなにか、定義することが難しいとさえいわれるほどです。
カレーキャラバンでは、日本中、世界中いろんなまちへ出かけ、その場所で調達した食材と、その場所に居合わせた人々の知恵をまぜあわせ、カレーをつくります。通りすがりの人も大歓迎。その日、その場かぎりのカレーをつくり、みんなで食べます。「カレーをつくることは、まちを知ることである」そんなことを考えながら、キャラバンは進みます。
そんなコミュニケーションや離島の事情に精通されている加藤先生と地域におけるコミュニケーション、そしてコミュニティの可能性について一緒に考えます。
日時:平成27年7月19日(日)16時30分開場 17時00分開始
場所:kichi
ゲスト:加藤文俊氏 木村亜維子氏 木村健世氏
※予約不要、参加費無料
社会学者。慶應義塾大学環境情報学部教授 兼 同大学院政策・メディア研究科委員。専門は社会学。とくに昨今はカメラ付きケータイを用いた社会調査法の開発に力を入れている。
三宅島大学:http://www.miyakejima-university.jp/
カレーキャラバン:http://curry-caravan.net/