おいしい食材集まる!『島の食卓』
Introduction
伊豆大島には、季節ごとに豊かな食文化があります。
大島ならではの食材を使い、この土地で伝えられてきた知恵と工夫がいきた郷土料理。ある時期しか手に入らない食材をじっくり味わえる島の家庭の味。大島という大地の力強さは滋味あふれる食材を生み、日々、島の人々のお腹も心も満たしています。
島民の食を支える定番食材から、ある時期にしか手に入らない限定食材まで島の食材たちをご紹介します。
明日葉
明日葉は伊豆諸島原産のセリ科の多年草植物。
「今日摘んでも明日にはもう芽が出てくる」と言われるほど、生命力の強い植物です。
むかご
自然薯の子どもと言われており、ハート形をした黄色の葉っぱのつるについている。さらに、その下を掘ると、自然薯があるのです。
さつまいも
火山でできた大島は、水はけが良くさつまいも栽培に適した土壌。
毎年、余ったさつまいもは動物園のサル達へプレゼント!
大島牛乳
島の自然の中で悠々と育つ牛たち。昔から明日葉をよく食べることで、いいお乳がでると言われています。
きぬさや
大島の斜面 、火山灰の土壌は水はけがよく、マメ科の病気がでにくいので良質のきぬさやができるのだとか。
塩
島を囲む海水、太陽・風・火の力を利用して伝統的な製法でつくられる天然の塩。
椿油
椿油の成分の80%以上は「オレイン酸」という脂肪酸。人の肌の主成分の40%がオレイン酸と言われていて、これが椿油が髪や肌によいとされる理由なのです。
伊勢エビ
大島の溶岩地形がつくる岩礁は伊勢エビにとっては居心地のいい場所なのです♪
めっかり・せせり
磯場でよくとれる貝である「めっかり」や「せせり」はいわゆる地方名で、標準和名は「めっかり」は「くぼがい」、「せせり」は「よめがかさ」。美味しい出汁ができます。
ハンバのり
冬の西風が強く吹きつけた後、海岸のあちこちの岩場に見られます。
クサヤ
その昔、貴重であった魚をより長く保存するために、塩水に漬け込んで干していた(一度使った塩水に塩を足しつつ繰り返していた)ところ、魚の成分から微生物が作用して発酵。ついに独特な香りと風味をもった「くさや液」が完成したのです。
サザエ
エサとなる良質な海草がよく育つので、サザエの身も旨味を蓄えます。
ツノが立派なのは潮の流れが強い中で元気に育った証拠です。
タカベ
背びれから尾にかけての黄色が特徴で、身はアジより柔らかく脂があって美味しいです♪刺身、煮付けもいいですが、塩焼きが絶品です!
キンメ
お刺身、煮付け、干物、しゃぶしゃぶとあらゆる料理で美味しく頂ける高級魚です。
クロシビカマス(通称:サビ)
サビが訛って“シャビ”と呼ばれたり、南部地区では“ナワキリ”と呼ばれたり、“タチ”と呼ぶ地域もあるそう。刺身、煮付け等で頂きます。
海の幸、山の幸。大島には、季節ごとにとれる食材がたくさんあります!
島人が「これぞ島の味!」と思う島の料理とは?
大島在住の方に聞いてみました!
ハンバごはんが大好きです!あと、これぞ島食材はひろめ!
ハンバ!冬の荒れた海がないと育たない。高級品で貴重でもあるけど、小さい頃から食べて育ったハンバごはんはあたたかい母の味でもあります。
タカベ好きだなー!淡白&脂がのっててサイコーの味。アワビとサザエも!
明日葉ごはん!明日葉が好き!
クサヤだなぁーあとは、かしゃんばだね。めっかりの味噌汁も!
※かしゃんば=大島の郷土菓子でヨモギの草餅をさんきらいの葉で包んだもの
明日葉とらっぱのり炒め(ふのりも好き♪)きぬさや、ハンバごはん、里芋酒盗のせ、とこぶし煮・・・好きなもの・・・いっぱいありすぎて困る~(笑)
べっこうが好きかな
うがいのコロッケはずせない
※うがい=波浮港にある肉屋さん
自然薯のとろろごはんでしょー。島の土くささがいいの。きぬさやの卵炒め、島のりのおにぎりも!
明日葉のてんぷら♪サクサクだよー!
せせりバター炒め♪
べっこう茶漬けと椿の花の天ぷらが好きです!花の色が紫に変わるところをみるのが大好きなんです。
明日葉の佃煮。これは、やみつきになるよ。
ビワ!
桑の実。服につくと落ちないけど、自分でとって食べるの楽しい♪
きぬさやだな!ゆでてマヨネーズ!食べ方はずっとこれ!
ハンバごはん。五目ごはん。(元町と岡田では味付けが違うとか?)
キンメの煮付け。タラの芽の天ぷら。ヒロメ(海草)の煮たヤツ。むかごごはん。ご飯ばっかだなっ!w
やっぱりクサヤですね!あの臭いを嗅ぐと食べたくなりますね。ソウルフードですから。
キンメの煮付け大好き!!
ごはんがどんどん進む~
前田豆腐さんの嶋納豆!!ずっと変わらないパッケージも好き。
カメのての味噌汁
焼酎のダイダイ割すっぱいけど、冬のビタミン摂取。
◎べっこうチラシ
郷土料理の“べっこう寿司”をチラシにアレンジ♪
「べっこう」は貴重な魚を保存するため青唐辛子醤油に漬けた郷土食。
●べっこう漬け
- 刺身用の白身魚 適量
- 醤油 大さじ3
- みりん 大さじ1
- 酒 大さじ1
- 青唐辛子 1本(辛くしたい場合は、2~3本)
●酢飯 3合
●飾り用の具材 錦糸卵、桜でんぶ、大葉、いくら、刻みのり、ゴマなど適量
- べっこう漬けを作る。魚を薄切りにしてバットなどに並べて敷き、調味料と刻んだ青唐辛子を混ぜた漬け汁で30分ほど漬け込む。
- 皿に酢飯を載せ、べっこう漬け、飾り用の具材をバランスよく盛り付ける。
◎きぬさやと里芋のケークサレ
栽培にとても手間がかかるきぬさや。島の里芋との愛称は抜群!
●A
- 薄力粉 125g
- ベーキングパウダー 5g
- 粉チーズ 40g
●卵 Lサイズ2個
●牛乳 70g
●オリーブオイル 70g
●塩 小さじ1/4強
●こしょう 小さじ1/4強
●玉ねぎ 1/2個(粗みじん切り)
●きぬさや 80~100g
●里芋 4~5個
【下準備】
- 玉ねぎをきつね色になる手前まで炒め、冷ましておく。
- 里芋は蒸し器でやわらかくなるまでふかし、一口大にちぎってつぶす。
- Aの粉類をボウルに入れて泡だて器で空気を含ませるようによく混ぜておく。
- パウンド型にオーブンシートを敷き、オーブンを220度に予熱しておく。
- ボウルに卵を割り入れて泡だて器でよく混ぜ、牛乳とオリーブオイルを加えてさらによく混ぜる。
- 1へ塩・こしょうを加えて混ぜ、さらに炒めた玉ねぎを加えて混ぜる。
- 2へ混ぜておいたAの粉類を一度に入れ、菜箸3本を持って小さい円を描くように35~40回混ぜる(混ぜるたびにボウルを支えている手で手前に少し回転させる)。混ぜすぎず、少し粉が残っているくらいでOK。
- 3へきぬさやと里芋を投入し(きぬさやはトッピング用に少し取っておく)、ゴムベラでさっくりと混ぜる。
- 4を型に流し入れ、温めておいたオーブンを180度まで下げて40分焼く。
- 40分焼いたら、トッピング用に取っておいたきぬさやを上にちらし、指で軽く生地に押し込んでさらに180度で15分焼く。焼けたら型から外し粗熱を取る。
\あわせて読みたい/
島のごちそう
「春」はあしたばが元気に伸びはじめ、「夏」はトビウオが水面を飛び跳ねる。「秋」には火山島ならではの水はけのよい大地が美味しい芋を育て、「冬」は“ニシ”と呼ばれる強い西風が海岸の岩場に島のりやはんばのり、ふのりなどの海草をもたらします。
※フリーペーパー「12class」第24号掲載記事より
writer 12class
photo Runo