大人の自由研究
はじめに
こんにちは!関西出身のグルメ大好き女子“のえ”がお送りする連載エッセイ「OshiMaっ娘だより」です。
「OshiMaっ娘だより」は着任中の大島のことを私独自の視点で自由にご紹介していきます!一緒に大島を楽しんでくれたら嬉しいです。
今回は「大人の自由研究」シリーズ(?)より、伊豆大島の特産品である塩に関するエピソードです。どうぞお楽しみください♫
大人の自由研究『塩づくり』
大島では塩づくりが有名です。
お土産やさんには何社かの塩がずらりと並んでいるのが見かけられます。
今回、いつもお世話になっているたーさんの職場を見学させていただけることになり、塩づくりの見学に行ってきました!
元町から南に車を20分ほど走らせたところに、ご存知の方は知っている、巨大なバームクーヘン(地層切断面)が見えてきます。
今回見学する海の精株式会社の千波工場は、そのバームクーヘンの道沿いを海岸に向かって下っていったところにあります。
一度売店の方には行ったことがあるのですが、工場を見学するのは今回が初めて。
たーさんからみっちりと学んできました!
塩づくりにはいくつか方法がありますが、千波工場ではほししおを生成する天日製塩法を行なっています。(日本では珍しいらしい。海の精HPより)
売店よりももっと海岸沿いに、その建物はありました。
天日濃縮を行うための塩田です。
そばには海水を貯められるタンクが8つ用意されており、そこにたくさんの海水を貯めることができます。
タンクの海水をポンプでくみ上げ、1番上からシャワー状に流します。
出てきた海水はネットを伝って1番下の床まで降りて行くのですが、この過程で風が吹き込むことで、より効率的に水分を蒸発させることができます。
水分が蒸発して、1番下に行く頃には海水の塩分濃度が上がります。その海水はまた貯水タンクに入りポンプでくみ上げられ、シャワーされます。
これを繰り返すことでより濃度の高い海水をここでは作ります。
こうして濃度が上がった海水は次の工程へと進みます。
それをするのが、売店の隣にある建物。
濃度をあげた海水はガラス温室にてまず一度干されます。そこでびっしゃびしゃの塩にします。(語彙力…)
とりあえずここで塩の面影が出てきます。
このびっしゃびしゃの塩をそのまま水分を飛ばして塩にしてしまってもいいのですが、それではニガリが多く、クセの強い塩になってしまいます。そこで、水分を飛ばし切らずある程度水分を残した状態で遠心分離機に入れ、ニガリを取り除く工程を挟みます。
びっしゃびしゃの塩はあらかたのニガリを取り除き、絞られます。
しかし、ここで終わりではありません。
ニガリが多いとクセが強くなりますが、ニガリも大事な塩のアクセントです。水分量を確認しながら、バランスよくニガリ分を残した塩を一度袋に入れます。
夏にびっしゃびしゃの塩を一度干しをして遠心分離機にかけ、袋に入れた後、冬に二度干しをするのです。
そうして迎えた冬に、もう一度ガラス温室で水分を蒸発させたらほししおの完成です☆☆
海水を濃くする段階からたどっていくと、製品になるまでとっても時間がかかっていることがわかります!
しかもほししおの場合、ほとんどが人の手によって作られています。
ほししおを作るために、こんなにたくさんの時間を使っていて、ほとんど手作業だなんて全く知りませんでした。
みっちりたーさんに塩づくりを教えてもらって、帰る頃には「あれ?初任者研修だったかな?笑」なんて調子に乗って思ってしまいましたが、塩づくりはもっともっと奥が深いです!
大島に来たら大人の自由研究と題して、塩づくりを見学してみるもの良いと思います!是非!
【memo】
見学は無料です(^^)事前に予約してください。
所要時間は30分くらいです。(私はやや食い入ってしまったため1時間くらいでした……)
after talk@見学後の売店で
私「それにしても塩づくりって本当に時間もかかって大変なんですね〜‼︎」
たーさん「ほししお食べたことある?」
私「ないです…!」
たーさん「じゃあこれ食べれるから、手だして」
(試食できる塩を手に乗っけられる。その量割と多い)
私「………!?たーさん殺す気ですか!?!?」
たーさん「俺夏とかこれくらいヘーキで食べるよ。食べられなかったらそこに捨ててくれていいから〜」
私「冬ですし…!笑 あんなに大変だって分かったのにこのほししおさんを捨てるなんて(泣)」
ひとかけら食べて、やはり塩は塩。
しょっぱくて乗せられた分全ては食べられませんでした。ごめんなさい。
真心込めて作られた大島のお塩。
お世話になった私の友人に贈りたいと思います(^^)
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