椿の季節

Category Living

はじめに

こんにちは!関西出身のグルメ大好き女子“のえ”がお送りする連載エッセイ「OshiMaっ娘だより」です。

「OshiMaっ娘だより」は着任中の大島のことを私独自の視点で自由にご紹介していきます!一緒に大島を楽しんでくれたら嬉しいです。

記念すべき第1回は「椿の季節」です。どうぞお楽しみください♫

椿の花のトンネル

2月27日

せっかくの休みなので、前日からお出かけをしようと決めていました。
ところが今日は午後から雨の予報。でも、せっかく早く目が覚めたので、朝8時から椿をみるために車を走らせることにしました。

私の住んでいる元町から大島公園までは、泉津を通る北回りか、波浮を通る南回りがあります。
今回は泉津にある「泉津の切通し」に寄りたかったので北回りを選択!

車を20分ほど走らせ、泉津の切通し付近にある少し広いスペースに車を停めます。切通しは一周道路を走っていると「椿トンネル」と書いてある案内板があり、そこを案内に従って曲がったところにあります。

案内板からして、曲がったところには、椿の花がたくさん咲いているトンネルがあるのかなと想像していましたが、実際行ってみるとまだ咲いていないのか、落ちてしまったのか・・・

今日は椿のトンネルを見ることができませんでした。いつ頃行けば花が咲いているのかまたリサーチしなければ!

椿のシーズン自体は1月末から3月末なので、そのうちのどこかなんだろうなぁ。

トンネルの話はさておき、冬の朝に行く切通しは人もおらず、車も通らず、空気も澄んでいてとても気持ちがいい!

さわさわ~と風に揺られた木々の声が聞こえるようです。

その声を感じながらゆ~っくりと道路を歩く。
道路の真ん中を歩いていても、車がくるとすぐにわかるので安心。

朝の澄んだ空気をおなかいっぱい吸い込んだら、切通しをいろんな角度から眺めます。

切通しの入口からひょこっと何かがあらわれたりしないかな、とかいろんな妄想をしながら。笑

そのあとは、日陰になっていることで少ししっとりとした、道の断面をさわります。

大島にきたら、こうやって時間を贅沢につかって自然を感じてほしいなと思います。

椿の花さんぽ

そうこうしていたら、そろそろ大島公園の開園時間になってしまったので、この場所とはお別れし、さらに北東へと車を走らせます。

道に沿ってちらりちらりと咲く椿の花を横目で見ながら、しばらくするといつの間にか大島公園についていました。
第一駐車場は主にバスが停まるので、第二駐車場に車を停めてカメラを持っていざ椿鑑賞へ!

車を降りると、タイワンリスが「こっちだよ」と言わんばかりに一周道路まで先導してくれて森のしげみへと入っていきました。

しげみからは、さまざまな動物たちの声が聞こえてきました。姿こそ見えないけれど、リスやキョンといった街中でみる動物以外の動物もこの茂みの中で生活しているんだろうな。

大島公園には、動物園と椿園がありますが、今日は動物園には寄らず、椿園と椿資料館で椿を堪能するコースです。まずは第一駐車場に隣接された、椿まつり期間限定の椿プラザを横切り、椿園へ。

「あ~れ~?!おねえちゃん、さっき切通しのところおったよね?!」

いつのまに・・・!

あんなに人のいない場所に人影があるとさすがに目立つみたい。

「椿のことならこのおじいちゃんに聞いたらなんでも教えてくれるから!!」

親切なおじちゃんが、隣のスタッフジャケットを着たおじいちゃんを指さします。紹介されたおじいちゃんはおうよ!と言わんばかりに、にっこりと椿園のまわり方を教えてくれます。

「今ちょうど黄色の椿が咲いてるよ。入って左曲がって白の椿があるからそこをまっすぐ行ったら見れるよ!まあどっちから回ってもいいんだけどね。黄色の椿はここしか植えてないから」

へ~!黄色の椿、初めて聞いた!(調べると金花茶という品種みたいです。)

おじいちゃんのアドバイスどおり、椿園入口から左に向かって進みます。外から見るよりもとっても広大な敷地で、所せましに椿が植えてありました。赤、ピンク、マーブル、
あれ、おじいちゃんが言っていた黄色の椿はどこだろう・・・

結局、通り過ぎてしまったのか、これ!という黄色の椿は見つけられませんでした。あまり発色が目立ってなかったのかも?見つけた方はぜひ教えてください!

雨に打たれ、風に吹かれて育った椿は強いようで弱いです。
花が咲くとその重みですぐに地面に落ちてしまいます。
きれいなうちに。

少し悲しいようで、はかなくて、でもそれが日本人の心には“美”に映るんだと思います。

園内の道には、時間が経って変色した花びらもあればまだ真新しいきれいな花びら、花そのものがたくさん落ちていて、一面が椿の絨毯になっていました。

私はなるべくそれらを踏まないように、とゆっくり歩きます。

下も見つつ、上の椿も見つつ歩いていると、ふとある椿の木が目に入ってきました。小ぶりの木に満開の椿。その木の下にはこれでもかというくらいの花びらが落ちて、真っ赤な絨毯を作っていました。咲いては落ち、咲いては落ち、を繰り返している真っ只中の椿をみて、自然も人間と一緒で一生懸命生きてるんだ!ということを思い知らされた気がしました。

あぁ来てよかった。

そんなことを思いながら歩いたら、この広い椿園を一周していました。1時間もあれば十分。

あんこさんと椿の花

椿プラザに戻って、まだ人数の少ない(というか開園直後だったので私しかいない)売店を見て回ります。
いくつかある売店で私のお気に入りは、やはり椿オイルです!
加熱していない生の椿油を使用したハンドクリームは値段がお手頃で、お土産にぴったり。黄色いパッケージのハンドクリームを見つけたらぜひ。

そのほかにも小腹がすいたら、いもっこ(熊本のいきなり団子のようなもの)、明日葉入りかりんとう、椿油を使ったどらやきなどなど・・・
グルメファイターの私には食べてみたいものがたくさんあります|д゚)

そこに、椿まつりの期間だけあんこ娘の衣装を無料で着ることができるブースもあります。去年来た時には、勇気がなくて着られなかったのですが、いつ転勤になるかわからない今。

今しかない!!!と思って、思い切ってあんこさんに声をかけました。
あんこさんはにっこり。

「上の分厚い服だけ脱いでね~あとは着せてあげるから」

手を十字に広げている間に2人のあんこさんがせっせと着付けをしてくれます。

「去年は恥ずかしくて声をかけられなかったんです~」

「あら!そうなの?今日はまだ人がいないからいいね!」

「そうなんですよ~」

なんて会話をしていたらあっという間にあんこ娘の完成★

「あ~ら~似合ってるじゃない!椿の女王コンテストに出たらよかったのにい~」

なんてお世辞のうまいあんこさん。
えへへ。(お世辞だとしてもうれしい。)

「せっかくなので一緒に撮ってください!」

着付けをしてくれたあんこさんの一人と記念撮影。
ここバックにした方がいいよ!なんて撮影場所まで丁寧に指定してもらって、無事記念の一枚を撮ることができました。あんこさんに感謝。

そのあとは、年中椿を見ることができる「椿資料館」に行きました。
資料館では、椿の花だけがずらーーっと並べて展示されているので、ひとつひとつの花を見比べながら鑑賞できます。

椿資料館は一度秋口に行ったことがあり、もう一回行くか!というノリで入ったのですがこれはもう失礼しました!!!
全然秋と違う!

椿園にて見ることができる色とりどりの花が展示されているのですが、私が見たことあるのはドライフラワーでした。しかし、この椿まつりの期間だけはドライフラワーではなく生花が展示されているのです。
花から蜜が垂れているものもあったりします。

今の時期に展示されている椿の花は、椿園からスタッフの人がひとつひとつ採ってきて生け花にするそうです。

そして椿の季節が終わりを迎えると、ひとつひとつ丁寧にドライフラワーを作り、残りの期間はそれを展示します。

また資料館では、椿園から採ってきた花だけでなく、ちょっとした温室のようなエリアで鉢に植えられた椿を見ることができます。こちらは、自然の中で育てられていないので比較的花もきれいだし、背も低いので顔を椿の木や花に近づいてみることができます。

椿園や資料館は小雨でも楽しめることができる場所なので、大島に来られた際はぜひ立ち寄ってみていただきたいです(*’ω’*)

\あわせて読みたい/

常春の椿の島

東京から高速船で1時間45分。そこは椿の楽園。
厚葉木(あつばき)がなまったと言われる「つばき」は「木に春」と書く。まさに春が寄り添う様を、椿は力強く表していた。

Read more

神秘の森と光に包まれた場所

島の東側に位置する「泉津」には神話や伝説の舞台となったパワースポットや海岸沿いの美しい風景が広がる絶景遊歩道など、楽しめるスポットが点在しています。

Read more

Noe writer
Noe

  • このエントリーをはてなブックマークに追加