『探究力をてらす』開催レポート

Category Event

はじめに

2月11日(火・祝)に映画「Most Likely To Succeed」上映会とワークショップを組み合わせたイベント『探究力をてらす』を開催しました。

今回はイベント当日の様子をお伝えしたいと思います。

なお、本イベントは地域における教育を考えるプロジェクトチーム「てらす-TERRACE-」により企画・運営されています。
「てらす」は教育をテーマとした各種イベントの企画や提言を行うグループとして教育関係者やデザイナー、プランナーといったメンバーを中心に活動を行っています。

どうぞよろしくお願い致します!

イベント趣旨について

まず最初に今回のイベントの目的についてお話します。

指数関数的にテクノロジーの進歩が続く世の中。
中でもモノのインターネット(IOT)や人工知能(AI)の研究開発は加速していて、私たちの暮らしは想像を超えるスピードで豊かなものになると考えられています。
そのような劇的な変化の時代に生きる子供たちを私たちはどう育てていけば良いのでしょうか?

そんな課題に対するひとつのヒントを提示してくれるのが、教育ドキュメンタリー映画「Most Likely To Succeed」です。

映画では、現在の教育システムがかつて軍隊や農場、そして工場という組織の中で効率よく働き、活躍できる人材を均一的に育てるために制度化されたもので、インターネットの登場により、工業化社会から情報化社会へと移行、あらゆる技術が発達し、多様且つ複雑化した現代の社会においてはそのような教育システムはもはや機能しづらくなってきていることを、様々な立場の方のインタビューを通じて明らかにしようとしています。

情報化社会では知識を多く持っている人よりも、論理的思考や高いコミュニケーション能力を持った柔軟な思考を持った人材が求められていて、そんな人材を育てるべく新たな教育システムを掲げた学校が2000年にカルフォルニア州サンディエゴに開校しました。

それが、「High Tech High」です。

High Tech Highでは、教科書や試験、成績表がなく、グループ単位でプロジェクト学習(PBL)に取り組みます。つまり、学期末に開催される展示会に向けてメンバーでテーマや目的を決め、試行錯誤しながら協業を積み重ね、ひとつの成果物を創り上げることに集中するのです。

本作は、これからの社会に相応しい新しい教育を考えるきっかけや、今の教育に対する問題提起を私たちに提示しています。
従来の教育システムとHigh Tech Highのような新しい教育、どちらを選ぶのが正解なのか、それはまだ誰にも分かりません。
なぜなら、十分な確証を得るほどのデータが揃っていないからです。

ただ、明らかなのは、世の中はものすごいスピードで技術的進化・発展を続けています。
中でもインターネットは世の中を激変させました。
インターネットによって私が子供のころには考えられなかったような仕事が無数に生まれています。

そして、世の中は情報化社会のさらに次の段階、サイバー空間と現実世界のあらゆる情報やモノや人をつなぐIoTや人工知能(AI)の登場、発達により量・質ともに最適化を図る社会、Society 5.0に入ります。

あらゆるモノやコトがシームレスにつながり連携する社会が目前に迫ってきている中、従来通りの教育システムを続けていて果たして通用するのでしょうか?それとも、High Tech Highのような新しい教育を選択するべきなのでしょうか?

選択の答えは、現場での実証データの積み重ねや検証はもちろん、様々な人との対話を経ることで、より精度の高いものになっていくのだと思います。

そんな想いから、今回のイベントを企画しました。

イベント内容について

今回のイベントでは、より深く映画「Most Likely To Succeed」を鑑賞いただけるように、上映前に映画の背景にある社会構造の変化(狩猟社会→農耕社会→工業社会→情報社会→そして、新たな社会)について、スライドを用いて説明しました。

本作品に関連ある情報を俯瞰的にお伝えすることで、より多面的に作品を捉える事ができ、より深い考察に入る事ができると考えました。

また、作品上映後は今回のテーマともなっている「探究」をテーマにワークショップを実施しました。

まず最初に、「High Tech High」においても教育カリキュラムの中心に置かれていた “探究型の学び”について確認しました。

哲学者 苫野氏によると “探求型の学び”とは、

自分(たち)なりの問いを立て、
自分(たち)なりの仕方で、
自分(たち)なりの答えにたどり着く

そんな一連の流れを辿る思考や行動様式といえます。
自分の問いからスタートすることで、学びが自分事になり、ワクワク感が出たり協同したくなったりする。本来学びは、身の回りで自然発生的に生まれていることだと、このワークショップで気づいてもらえたのではないでしょうか。

気づき・発見の共有

国語辞典によると「探究」とは、
「物事の真相・価値・在り方などを深く考えて、すじ道をたどって明らかにすること。」
と記載されています。

「探究」を核としたカリキュラムは、その性質から地方でこそ活躍する機会が多いのではないでしょうか?そして、課題先進地域とも言える伊豆大島において、まさに取り入れるべきではないでしょうか?

そこで、伊豆大島をテーマに島の現状と課題についての概要を紹介し、課題解決の為の手段を講じる為の入口となるプレゼンテーションを実施しました。その後、ワークショップとして、大島でやってみたいこと、やるべきだと思うこと、解決したいことについて、グループディスカッションを実施、最後にグループ毎の発表を行いました。

みなさん、それぞれの視点で伊豆大島の現状を見つめ、それぞれの立場から独自の視点で課題を設定、解決する為のアイデアが生まれていて、とっても興味深い時間となりました。

こんな素敵なディスカッションなら、定期的に開催してもいい!って思いました。
そして、生まれてきたアイデアをカタチにするにはどうしたら良いか?そう、さらなる探究が始まるのです。探究に探究を重ねて、伊豆大島をより良くしたい!ってみんなで想いを共有しつつ締めくくった今回のイベントでした。

ご参加いただいた皆様、ありがとうございました!

「てらす-TERRACE-」の今後の活動にぜひご注目ください。地域における教育について、一緒に考えていきましょう!

Data

『てらす-TERRACE-』

地域の未来を支えていくのは子どもたちです。そんな子どもたちの成長にとって本当に大切なこと、本当に必要なことは何だろう?

離島だからってあきらめるのではなく、離島だからこそ、子どもたちの可能性を広げたい。そのために私たち大人にできることを考え実践していきたい。

「てらす -TERRACE-」は子どもたちが未来に向けて思いっきり力を発揮できる舞台づくりを進めるプロジェクトチームです。

writer
TERRACE

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