今年3月に上映しました『恋はフェリーに乗って』は、再編集を経てタイトルも新たに『二十代の夏』となって完成!そこで、本作の撮影場所としても登場するkichiにてお披露目の上映会(上映時間42分)を行うこととなりました。上映後には監督他のトークショーも予定しておりますので、お誘い合わせの上、ご来場ください。
-開催概要-
日時:10月22日(土)19時00分~(18時30分開場)
会場:kichi(東京都大島町元町1-9-4 高田土産店2階)
料金:1,000円(1ドリンク付)
公式WEBサイト:http://summer20s.tumblr.com/
駆け出し小説家のカズキ(28)は新作執筆のため、故郷の島で夏休みを過ごしていた。ひょんなことから、滞在していたペンションの管理をカズキは任されることになり、宿泊客の女性・レイコ(28)とユカ(24)に出会う。カズキはレイコに昔付き合っていた女性の面影を見出し、いとも簡単に心奪われてしまう。ある晩、酒を飲んでいた3人はユカの奔放な振る舞いをきっかけに大きく衝突をはじめる。
再編集を経て完成した『二十代の夏』はぼくにとって、とことん納得できる作品になったと共に、非常に重要な作品となりました。当初「女性のわからなさ」ということをテーマに脚本執筆、撮影、編集を進めてきましたが、作品と向き合いなおす中で、そもそも「わかりあえない」のは自分自身に由来する事柄もあるはずだと気付いた瞬間がありました。それは言葉にして言うならば「未熟さ」なのではないだろうか。その時、作品と出会いなおしたような気がして、どのシーンが必要でどのシーンが不要なのか作品自身がぼくに教えてくれました。こんなこと、今まで映画をつくってきてはじめてのことです。
本作の中でも主人公の青年は思い入れのある女性と何度も出会いなおします。しかし、彼はどのように振る舞えばいいかわからず、うまく関係を結ぶことができません。小説家をしている彼はその時のことを小説に書き始めます。女性と、特に自身の「未熟さ」について向き合いなおしはじめた彼は、再び女性と出会いなおした時、どのような人間としていれるのでしょうか。映画と映画制作がピタリと一致する奇妙で胸騒ぎのやまない道筋をぼくとこの映画は歩むことができました。
続いてはいよいよ、外に向かって発信するべき時が来たと思っております。この映画が多くの観客と出会い、そして「こんな映画だったんだ!」とみたび出会いなおせることが楽しみでなりません。上映を重ねることでこの映画制作に協力してくださった皆様に感謝を伝え続けたいと思っております。
1988年生まれ。横浜国立大学大学院都市イノベーション学府修了。2010年に監督した『 濡れるのは恋人たちだけではない』が、SKIPシティ国際Dシネマ映画祭や北京獨立電影展など、国内外の映画祭に出品され高い評価を得る。